Aidemyではたらく社長のブログ

10秒で始めるAIプログラミング学習サービス「Aidemy」を制作する社長のブログです。質問箱への回答、考えていることなどをブログにまとめます。

【Aidemyの強さを公開】口コミ定量化指標のNPS(ネットプロモータースコア)で競い合いませんか。

 Aidemy CEOの石川です。先日、Aidemyのユーザーインタビューを行いました。そのなかで、「Aidemyをどのように知りましたか?」という設問がありましいて。その結果の抜粋をシェアします。

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 流入チャネルの約1/3を占める「ニュースメディア」は、プレスリリースの効果が大きいでしょう。この効果に関しては以下のブログ記事で触れました。

tarisaa.hatenablog.com

 

 しかし、最も注目すべきはSNSからの紹介」「社会の情報共有」「友人からの紹介」であり、これらで全体の60%ほどの割合が占められています。これらは口コミによるものと言えるでしょうし、Aidemyの強さの秘訣は口コミとも言えます。

 実際、伸びているサービスの流入のほとんどは口コミだと思っていて。スタートアップのプロジェクトで最もフォーカスすべきポイントはプロダクトの質です。それはプロダクトの質が良ければ、口コミでユーザーが流入して、意図せずとも自然とサービスが伸びると考えられるためです。

 さて、こうした口コミの度合いをKPIとして管理するために、定量化して表す手法があります。それは、NPSです。今回は、口コミ定量化指標のNPS(ネットプロモータースコア)を紹介します。アジェンダは以下の通りです。 

1. NPSの概要と計算方法

2. AidemyのNPSを公開!

3. 他サービスのNPSと比較してみよう

4. NPSで競い合いませんか。

 

1. NPSの概要と計算方法

 NPSとは、上述の通り口コミの強さを定量化して表す手法です。欧米ではスタンダードな評価指標と言われています。

 NPSは欧米の売上上位企業(フォーチュン500)のうち3分の1以上が活用していると言われており、例えばアメリカンエクスプレスやP&G、グーグルもこの指標を活用してサービスに対するロイヤルティを計測し、日々サービスの改善に務めています。

NPS(ネットプロモータースコア)とは?顧客満足度との違いを解説 | 株式会社Emotion Tech(エモーションテック)

 

 よく使われる「顧客満足度」と比較して、NPSは成長率/利益率と大きな相関があると言われています。さらに推奨者は頻繁に口コミを行うという統計データもあり、一定の信頼が置ける指標です。

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f:id:tarisaa:20180211141158p:plain*1

 

 さて、このNPSの計り方は非常にシンプルです。「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」 という質問をユーザーに対して聞くだけです。*2

 

 この回答結果をもとに、顧客は「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのタイプに分類されます。

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 そして、以下のような計算式でNPSを計算できます。

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 当然、推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアは上がります。その値は-100から、+100までの範囲を取り、値が大きければ大きいほど、サービスの口コミ拡散力が大きい言えるのです。

 

2. AidemyのNPSを公開!

 さて、AidemyのNPSを公開します。Aidemyのユーザーに対するアンケートを実施したところ、以下のような回答が得られました。

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  上記グラフを参照する限り、なんとなく良い結果が得られている感じがします。ざっくり「推薦者が4割」「中立者が5割」「批判者が1割」といった構成でしょうか。このアンケート結果をベースにAidemyのNPSを計算しましょう。

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 以上のように、「28.5」になりました。推薦者が多く、口コミによる効果を管理するKPIとして、NPSは有用な指標ではないでしょうか。

 

3. 他サービスのNPSと比較してみよう

 NPSの面白いところの一つとして、他サービスと横断的にその値を比較できることです。 NPSが公開されているサイトは少ないのですが、NPSとは(ネットプロモータースコア/Net Promoter Score)顧客満足度に変わる新指標 - NPSソリューション | NTTコム オンラインより値を抜粋しました。 

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 上記を見るに、全てのサービスで負の値が取られています。そもそも正の値のNPSを取るのが難しいのです。そう考えると、AidemyのNPSは十分高く、競合と比較しても口コミによってサービスが広がっている定量的にも判断できるでしょう。

 

4. NPSで競い合いませんか。

 とはいっても、3.で紹介したサービスはどれも大企業によるサービスが多く、インターネット系でない業界も多く含まれています。

 インターネット系のサービスであれば、改善スピードも速く、NPSも比較的高い値が見込めます。その中でもベンチャーのサービスであれば、ターゲットが絞られているサービスも多いため、高いNPSが見込まれるでしょう。したがって、AidemyのNPSが高い値であると盲信することは避けるべきだと感じています。

 とはいっても、私はAidemyにかなりの手応えを感じていますし、決して低くない値だと思っていて。是非ともいろんなサービスとNPSを競い合いたいです。是非いろいろなサービスでNPSを取って頂き、NPSをシェアし合い、互いにサービスをブラッシュアップしていきませんか?もし良ければ、Twitterやコメント欄で、皆さんのサービスのNPSを教えてください。

 

Aidemyは人材を募集しています!

 AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術を発信するコンテンツメイカーになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!

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https://www.messenger.com/t/aki1275

スタートアップは「月に4本」プレスリリースを打つべき3つの理由

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 Aidemy CEOの石川です。本日以下のようなプレスリリースを打ちました。

prtimes.jp

 ビッグクライアントとのコラボで反応も良く、確かな手応えを感じています。さらに、最近まわりの友人から「Aidemyの調子いいね」「名前よく聞くよ」と言われることも多いのですが、その要因の一つはプレスリリースをうまく活用できていることだと思い、今回ブログにしてみました。

 Aidemyは、一部のプランを除いてFacebookGoogleリスティング等の広告費は一切使わず、広報活動としてはPR Timesにプレスリリースだけ打っています。2017年から使い始めているのですが、このPR Timesの投資対効果が非常に高く。2018年はさらに戦略的に、どのタイミングで、どんな内容でプレスリリースを打つべきか、この先数ヶ月に渡って設計しています。今後は月に4本、年間48本のペースでリリースを出します。 

 さて、僕が考えるプレスリリースのメリットは以下の通りです。

  1. プレスリリースを打つことで、社内でサービスのイメージが湧く。
  2. プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができる。

  3. プレスリリースをベースに、サービスの開発スケジュールがたてられる。

 今回は、以上3点のメリットに関してまとめます。

 

1. プレスリリースを打つことで、社内でサービスのイメージが湧く。

 プレスリリースの文面は、分かりやすく端的にサービスの特徴をまとめる必要があります。エンドユーザーにとってどのような言葉で魅力を伝えるべきか推敲することで、アイディアが自然とブラッシュアップされて、注力すべき訴求ポイントが明確になっていくのです。

 実際、Amazon流の開発術では、まずプレスリリースを作るらしく。

プレスがユーザーに響かなかった時点でプロジェクトはボツ。そもそもその商品は作らない。これにより見当違いな商品を作るリスクを、一番最初の段階で低コストに回避できる。

 スタートアップは限られたリソースを、限られた領域に集中投下しないと、大企業や競合に負けます。スタートアップで危険な失敗の一つは、リソースの集中投下先を間違えることです。そのリスクを最大限ヘッジできるのがプレスリリースなのです。

 

2. プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができる。

 プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができます。下図は、PR TimesのプレスリリースのPV数のキャプチャ画像です。

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 PV数の山ができている点が、プレスリリースを打った日です。グラフを見れば一目瞭然、どの山が大きいのかすぐにわかります。弊社では、PVが集まったリリースのプライオリティを上げています。結果、ユーザーの反応がある内容を優先してリソースを投下できるので、失敗しにくい戦術となります。

 

3. プレスリリースをベースに、サービスの開発スケジュールが立てられる。

 Aidemyの認知は、エンジニア・理系層を中心に少しずつ高まっていますが、それでもGithubやKaggleと比較すれば当然知名度は低いです。これらのサービスの認知度が高いのは、サービス名を耳にする頻度が高いからだと思います。

 では、これらのサービスと並ぶような知名度にしたければ、毎週定期的に情報を発信してサービス名を耳にする頻度を高めることが重要です。そのため、毎週定期的に情報を発信できるように、サービス開発のプライオリティを少し調整し、開発スケジュールを作るようにしています。こうすることで、社内で波を作ることができるのです。

 スタートアップは、一つのプレスリリースを練りに練って、たまにリリースを出すことが多いですが、大抵の場合その間にサービスが忘れ去られています。プレスを出しすぎてウザがられるくらいが、丁度良いのです。

 

 以上が、Aidemyがプレスリリースにこだわる理由です。プレスリリースは打つだけほぼ無料です。実際、DMMは「シェアリングバイク領域に参入します!」というプレスリリースを打ち、その後参入をやめました。

toyokeizai.net

 プレスリリースは月に4本ガンガン打って、ダメそうなら謝る。これがスタートアップのリスクを最大限ヘッジできる戦い方ではないでしょうか。

 

Aidemyは人材を採用しています!

 AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術を発信するコンテンツメイカーになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!

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【2018年度版】初心者にオススメのプログラミング言語は◯◯◯だ。

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 10秒で始めるAIプログラミング学習サービス Aidemyの石川です。最近、質問箱 - Peing- で、「プログラミング始めたいのですが、どんなプログラミング言語から学ぶべきですか?」と聞かれることが多く。

 おそらく質問主は「起業したい」「自分のアプリを作りたい」「プログラミングスキルを教養としてつけたい」というニーズからプログラミングを学びたいと思っている方々と思うので、僕の意見をまとめてみました。

 

1. とりあえずプログラミングやってみたい勢にはJavaScript

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 「教養としてとりあえずプログラミングやってみたい」という人にオススメなのは、JavaScriptです。JavaScriptはワインで言うところのカベルネ・ソーヴィニヨン、ディズニーで言うところのビッグサンダー・マウンテンでしょうか。クセもなく人気で、さらに応用範囲も広い、非常にオーソドックスな言語です。

 JavaScriptに慣れてくれば、拡張ライブラリのjQueryWEBサイトを容易に動的に変えられますし、React.js/Node.jsで本格的WEBアプリも作れます。さらに最近だとReact Nativeでスマホアプリまで作れるようになります。さらに、jsを書き始めるのに環境構築は不要です。インターネットブラウザさえあれば、手軽にプログラミングを始めることができるのも魅力でしょう。

 jsを学ぶのにオススメはドットインストールです。まずは「占いアプリ」、「クイズアプリ」などのアプリケーションを作れるようになることが、プログラミングの第一歩としてはオススメです。

 

2. データ解析や人工知能に興味があるならPython

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 「データ解析」「人工知能といったテーマにピンときた方にオススメの言語はPythonです。Pythonはそもそもアカデミックで人気の高い言語でしたが、最近の人工知能人気でIT界隈でも注目されています。

 Pythonデータ解析や人工知能実装で最もオーソドックスな言語です。さらに、「プログラミング言語別年収ランキング(2016年度)」では堂々の1位(651万円)を獲得しており、いま人気急上昇中の言語です。

 一方、Pythonの弱みとしてはWEBアプリ制作には弱いことが挙げられます。Pythonを使ってWEBアプリを作ることもできますが、実装例としては非常に少なく、後述するRubyを使うことが多いでしょう。

 Pythonの学び方としては、手前味噌ですがAidemyがオススメです。他にも有料版のみになりますがPyQなども人気なようです。

 

3. WEBアプリを作りたい勢はRuby

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 〜〜なアプリを作りたい、など明確に目標がある人にはRubyを勧めます。フレームワークRailsと組み合わせたRuby on Railsは、いま日本のWEBアプリ制作で最も人気の高い言語とフレームワークワークです。

 Rubyの開発者は日本人(まつもと ゆきひろ氏)なのも嬉しいですね。最も人気の高い言語なので、日本語ドキュメントも充実してあります。

 学び方としては、やはりProgateがオススメです。ProgateのラインナップにRuby on Rails系の講座は充実しています。Rubyの環境構築は非常に骨が折れ、挫折する可能性が非常に高いので、Rubyの学び始めには環境環境不要のProgateが便利でしょう。

 

4. 最後に

 そもそも、どのプログラミング言語を選ぶべきか迷うことに時間を割くのは非常にもったいないと感じています。プログラミング言語の差って、「中国語」と「英語」という「ことば」の差ほど離れているものではなく、「関西弁」と「秋田弁」くらいの差だと思うんですよね。つまり、一つの言語を習得しちゃえば、他の言語のソースコードもなんとな分かってくるし、仮にまた新しくプログラミング言語を学ぶ時も学習コストは非常に低くなるわけです。

 実際、僕が初めて触ったプログラミング言語PHPなんですが、PHPの知識は他の言語の理解に非常に役に立ちます。さらに、僕の場合はPythonより先にRを学び始めたんですよねw 最近はRを書くことは滅多に無いのですが、Pythonを学ぶ時もすんなり吸収できました。

 どんなプログラミング言語をはじめに選択しようか迷っている初心者は、「まずは黙ってJavaScript/Python/Ruby」を選ぶこと。(「弘法筆を選ばず」という言葉があるように、ここで悩むことは本質ではありません。)その上で、ドットインストールAidemyProgateなどをうまく使いながら、まずはコードを書いて実践し始めるのが大切だと思います。

 

SaaSの米国展開の秘訣は◯◯◯◯◯性?サイボウズ社kintoneの海外展開戦略を考察!

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▲2017年度から展開されたkintoneのクリエイティブ。オフィス街を中心に見かけた方も多いだろう。 

日本発のグループウェアSaaS企業の「サイボウズ」。サイボウズの展開サービスは?

 「結果出せおじさん」と「早く帰れおじさん」との板挟みを痛切に表現した広告が話題になったサイボウズ社のkintone。サイボウズ社は現在、kintoneを始めとする業務支援ツールやグループウェアを提供している。今回は、サイボウズ社の主力サービスを整理し、海外展開戦略のために同社が行っている取り組みを概観する。

 まずは、サイボウズ社の展開サービスを同社IR資料から整理する。サイボウズ社では、以下の5サービズを展開している。

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 それぞれのサービスの概略を簡単に紹介すると、以下の通りになる。

Kintone:コードを書かずに自社内で業務アプリ(交通費申請システム、契約書管理システムなど)を開発できるツール

サイボウズOffice&Garoon:掲示板・会議室管理・スケジュール管理などを可能にする社内グループウェア(kintoneと連携可)

メールワイズ:メール共有ツール・顧客管理ツール(kintoneと連携可)

Cybouzu Live ... 完全無料のグループウェア

 この中で、異色なのは「kintone」と「Cybouzu Live」であろうか。前者は、ノンプログラミングでアプリを簡単に作れるサービスであり、「スクラッチ開発するほど予算はないが、決まった範囲内で自社独自のサービスが欲しい」というニーズを捉えているものだと思われる。(WordPressのような感覚に近いだろうか。)

 後者のCybouzu Live」は、簡易的なグループウェアであり、同サービスにはマネタイズポイントがない。あくまで、「Garoon」または「サイボウズOffice」導入へハードルを下げるための、フリーミアム戦略と捉えるべきであろう。

 IR資料では、以上の製品別売上が開示されていないが、製品別の売上を推定することはできる。同社ホームページからシステム利用料を参照すると、サイボウズOfficeのクラウド版利用料金は月額500円・5ユーザー〜と記載されていたのに対し、Garoonクラウド版利用料金は月額800円・300ユーザー〜とあった。

 実際GaroonはサイボウズOfficeの1/10程度の導入社数しかないが、利用最低人数が100倍近く違うので、同社の売上の大半はGaroonによって占められていると推定できる。

 また、サイボウズのトップページにはkintoneが大きく広告されており、GaroonやサイボウズOfficeには、kintoneとの連携機能が大きく打ち出されていた。既存のGaroon / サイボウズOfficeユーザーにとっては、ARPU向上のために毛並みが違うサービスのkintoneの利用を促しているのだと推測できよう。

サイボウズ社の売上推移

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 サイボウズ社のビジネスモデルは2012年から「パッケージ販売」から「クラウド利用料の販売」と大きく変化した。同社のビジネスモデルがサブスクリプションと変化し、順調に売上が増加している。

 なお、Adobe社のCreative Cloudが販売開始したのも2012年であり、2012年はパッケージ販売型企業にとってビジネスモデル変革の年だったのかもしれない。

 さて、同社が展開する5サービスの中のポジショニングを整理しよう。今回は、「ターゲットユーザー」と「カスタマイズ性」という軸で、以下のように整理した。

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 「カスタマイズ性」とは、各ソフトウェアのカスタマイズやAPI連携機能の利便性を示している。kintoneはプロダクト自体がカスタマイズを前提としているだけでなく、API連携やJavaScript/プラグインをサポートしている。Garoonは2017年5月からJavaScriptカスタマイズ・REST API・Webhookを機能のアップグレードを予定している。IR資料を参照すると、 同社ではkintone」「Garoon」を海外展開プロダクトとして位置づけており、ここからGaroonの2017年5月の機能アップデートは、海外展開を推し進めていくためのアップデートと思われる。

米国展開には「カスタマイズ性」が秘訣なのか?

  同社では、米国展開に中力するにあたり、何故カスタマイズ性にこだわっているのか?以下のITサービス企業技術者数のデータを参照すると、米国と日本の技術者のあり方の違いが浮き彫りになってくる。

f:id:tarisaa:20170525145735p:plain*1

 以上のように、アメリカは、ITサービス企業技術者(≒SIer)数の2倍以上のエンジニアがユーザー企業に在籍しているのである。日本は逆に、 ユーザー企業の技術者数の約3倍のエンジニアがITサービス企業(≒SI)に在籍しているここから、アメリカは、様々な企業がサービスを内製化して開発する土壌にあると推測できる。実際、Slackというプログラマブル性の高いチャットツールがアメリカから急激に拡大したのも、以上のような背景があると言えよう。

  以上のような背景から、kintoneやGaroonの米国展開を考えた時に、機能としてプログラマブルであること(=API開放...etc)が求められると考えられる。SaaSを海外展開、特に米国展開する際には「プログラマブルな形でカスタマイズ性を持つ」ことは必須要件ではないだろうか?

*1:資料:IPAグローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」

口コミメディアの「プレミアム会員」による売上比率はなんとたったの20%以下。比率を高める方法はあるのか?

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食べログvsアットコスメ!売上・利益・PV比較

 飲食店の口コミサイトといえば「食べログ」を思い浮かべ、化粧品の口コミサイトといえば「アットコスメ」を思い浮かべる人は多いだろう。今回は、両者のメディアの性質の差を浮き彫りにするべく、食べログアットコスメの売上・利益率に関してまとめた。

 まずは、食べログを運営するカカクコム社、アットコスメを運営するアイスタイル社のIR資料から売上・利益を参照し、similarwebを用いて年間PV数を推定した。

食べログ(FY2016)】

売上:186.0億円

営業利益:87.2億円

営業利益率:46.9% (カカクコム全体の営業利益率)

年間PV推定値:51.2億PV

1PVあたりの売上:3.63円

アットコスメ(FY2016 4Q - FY2017 3Q)】

売上:66.3億円

営業利益:25.3億円

営業利益率:38.2%

年間PV推定値:18.4億PV

1PVあたりの売上:3.60円

*1

 なんと、売上・営業利益・営業利益率・年間PV推定値・1PVあたりの売上、といった全ての指標で、食べログアットコスメよりも高い値を示していた。飲食店の紹介サイト・口コミサイトは、「Hot Pepper」「ぐるなび」「Retty」「Yahoo!ロコGoogle Place」など、様々な媒体が乱立している中、これだけの売上を計上できているのは食べログの口コミの数と質が信頼されている証だと言えよう。

食べログアットコスメの売上チャネル徹底比較

 次に、IR資料には各媒体のセグメント別の売上分布が記されていたので、これを比較する。「有料会員(BtoC)」「有料会員(BtoB)」「広告・EC購買(EC購買はアットコスメのみ)」の3つに切り分けられて記載されていた。

 「有料会員(BtoC)」とは、個人ユーザーの「プレミアム会員」制度を指し、「有料会員(BtoB)」とは、飲食店や化粧品ブランドの紹介ページを掲載する制度を指し、「広告・EC購買(EC購買は@コスメのみ)」とは、トップページのジャック広告や、EC購買への導線を指す。以上の売上比率は以下の通りである。

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 ここから、売上のセグメント比は大きく異なっており、食べログの売上の主軸は、BtoB有料会員アットコスメの売上の主軸は広告・EC購買であることが判明した。

 食べログの売上の主軸であるBtoB有料会員とは、各飲食店の紹介ページをリッチにするための制度である。例えば、「店舗トップ」欄に大きな写真を掲載でき、店舗の訴求力を高めることができる。

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▲有料課金登録した飲食店の例

 一方、アットコスメ売上の主軸である「広告」とは、トップページのジャック広告などを指し、製品の広告を大きくサイト上に掲載する制度である。

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▲ジャック広告の例(アットコスメのトップページ)

  このように、食べログアットコスメで売上の中心となるモデルは大きく異なっていたが、両者ともに「プレミアム会員」制度による売上が小さいことは共通していた。 

口コミメディアの「プレミアム会員」による売上比率はなんとたったの20%以下。比率を高める方法はあるのか?

 以上のセグメント別売上から、食べログは売上全体の19%、アットコスメは売上全体の11%がBtoC課金、すなわちプレミアム会員による売上であることが判明した。全体の売上額からすると、非常に小さい額しか売り上げられていないと言わざるを得ない果たして、プレミアム会員による売上比率をもっと高めることはできないだろうか?

 さて、有料会員の売上は以下のようにブレイクダウンできる。

「売上 = ユーザー数 × 利用料金」

 ここで、売上と利用料は公開されているので、その値から各媒体の有料会員数の平均を計算してみよう。結果は以下の通りである。 

食べログ

売上額(年):35.2億円

有料会員費(年):3,600円(税別、300円×12ヶ月)

有料会員数:97.8万人 

アットコスメ

売上額(年):6.5億円

有料会員費(年):3,360円(税別、280円×12ヶ月)

有料会員数:19.3万人 

 以上より、食べログは平均的に97.8万人もの有料会員登録がされている。これだけの人数が有料会員登録しても売上規模は全体の20%未満に留まっており、あまり旨味のあるビジネスモデルとは言えないだろう。ここから、顧客基盤を維持しつつ、有料会員の会員費を上げることはできないのだろうか?

 例えば、Yahoo!プレミアムの会員費が2016年3月に82円値上げし、380円(税抜き)から462円(税抜き)となったことは記憶に新しい。*2 プレミアム会員の付加価値が向上すれば、月額300円から450円程度まで払える余裕があるとも言える。

 具体的には、食べログは「優先予約機能」など、アットコスメは「化粧品の試供品の提供」などのサービスがあれば、プレミアム会員の訴求力は大きく向上すると思われる。これらのプレミアム会員制度には、値上げするポテンシャルがまだまだ存在し、プレミアム会員の売上比率を高めることができるかもしれない。

*1:カカクコム社とアイスタイル社のIR資料から抜粋。カカクコムのIR資料ではセグメント別営業利益が開示されていなかったため、食べログの営業利益はカカクコム全体の営業利益率から推定。年間PV数はともにsimilarwebよる推定値。

*2: Yahoo!プレミアムでいつものお買いものがもっとあんしん、もっとおトクに! - Yahoo!プレミアム 

SaaS「カイポケ」の月額利用料を6.7倍に引き上げ、売上を急成長させた「2つ」の戦略。

f:id:tarisaa:20170508175431p:plainカイポケとは?

 カイポケとは、看護・介護領域に人材メディアを展開するエス・エム・エス社が提供する新規事業であり、介護事業社向けの「経営支援サービス」である。

 エス・エム・エス社の主力事業は看護・介護領域特化の人材メディアだが、「カイポケ」を人材メディアに次ぐ「第二の矢」として注力し始め、下記のように「カイポケ」の売上もぐんぐん伸びている。

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 カイポケで最も特筆すべきは、同社がとった価格戦略である。2014年2月以前は月額3,000円でサービスが提供されていたが、一気に(平均単価)20,000円に上げる戦略をとった。

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 この月額使用料6.7倍もの大幅値上げによって、一時期ユーザーの離反を招いたが、現在は既に値上げ前の水準までクライアント数が増加した。結果、下記のように売上が急成長することになったのである。

f:id:tarisaa:20170511233428j:plain*1

 今回は、その価格の値上げに至ったエス・エム・エスの「2つ」の戦略を考察する。

カイポケの売上と利益は?

エス・エム・エス社のIR資料を参照すると、以下のように記載されている。

エス・エム・エス(2017年3月期)

売上高:230.5億円

(「カイポケ」売上高:27.8億円)

純利益:28.0億円

純利益率:12.1%

 以上のように、カイポケの売上高は27.8億円と記載されているが、セグメント別の利益額は記載されていない。「カイポケ」の純利益を推定すると、エス・エム・エス社全体の2017円3月期の純利益率が12.1%なので、27.8億円×12.1%=約3.26億円の純利益と推定できる。こうした「カイポケ」の成長戦略で特筆すべきを「戦略1」と「戦略2」に分けて紹介する。

【戦略1】初期は「コア業務」を格安(月額3,000円)で提供して、ユーザー数爆増の戦略

 カイポケが当初提供していたサービスは「保険請求」であった。介護事業者における「保険請求」の詳しい手順は以下のブログに譲るが、かなり面倒くさい国とのやり取りが必要なのである。

kaigo-shienn.hatenablog.com

 こうした手続きを月額3,000円でASP提供するのは、競合他社のサービスと比較しても分かりやすく安い。「保険請求」というかなり面倒くさい手順の代行に絞って機能を提供することに分かりやすい価値があり、以下のように数年で一気にシェアを拡大したと言えよう。

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【戦略2】13%のシェアを獲得した時点で月額運用費をぐんと引き上げ、ARPU爆増の戦略

 ここで、カイポケの月額運用費を上げた時期を、何故「2014年2月」に決断したのだろうか?2013年3月期のエス・エム・エス社の決算資料を参照すると、下記のように記載されていた。

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 値上げを決断した時期のカイポケのシェア率は13%であった。 この数値は決して高いものではないが、周辺サービスの「カイゴジョブ」では50%ケアマネドットコムは40%のユーザーを囲い込んでおり、様々なセグメントを合計すると、半数以上の介護業界のお客様がクライアントとなっていた。(実際、値上げを行なったカイポケにはカイゴジョブやケアマネドットコムとの連携機能があり、利便性を向上させている。

 以上のように他サービスで十分ユーザーに認知され、サービスを使用されている状態であれば、価格を向上しても顧客の離反はあまり起こらないのかもしれない。

まとめ 

 「深い課題感に特化してSaaSを安価で提供してユーザー数を増やし」、その後に「価格を上げて一気に収益化する」戦略は、他のSaaS業者や顧客向けサービスにも応用できるかもしれない。 

 勿論、やりすぎると顧客の反感を買うと思われるので、価格や時期は精査する必要はあるが、例えばリクルートの「Airレジ」とかでも同様の戦略は取れるのでは無いだろうか?

AbemaTVの目指す売上高は300億円?DAU400万、平均視聴時間25分が到達目標か。

大躍進のAbemaTV。投資回収を行うために目標としているKPIは?

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 サイバーエージェント肝いりの新サービス「AbemaTV」がリリースされてから約1年経った。サイバーエージェント藤田社長はインタビューで「無理な黒字化は事業がおかしくなる」と語っており、現在黒字化に関する議論はあまりされていない。*1しかし、AbemaTVはこの1年でアプリダウンロード数、MAU、WAUともに順調に成長しており、2017年後半〜2018年に投資回収を始めると考えられる。そこで、当記事ではAbemaTV黒字化に向けた達成目標と考えられるKPIを推定する。

AbemaTVの投資イメージ

 「2017年9月期2Q決算説明資料」を参照すると、AbemaTVの投資金額及び内訳は以下の通りであった。

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 AbemaTVへの投資額は200億円/年であり、2017年度はその70%がコンテンツ費用に割かれていた。こうしたAbemaTVの人気コンテンツは「(放映権を購入しているであろう)アニメコンテンツ」や「バラエティ番組」であり、ストックされる性質を持つものではなく、2018年度以降も継続するものと考えられるだろう。(来年になり、「あれ、AbemaTVのコンテンツが劣化してない?」と感じ取られたら、ユーザーは一気に離れてしまう可能性が高い。)

 実際、ビデオストリーミングの巨匠netflixは2016年に5,600億円を投資そ、2017年には6,800億円の投資を予定しており*2、それと比較してもAbemaTVの投資額も突出して多額とは言えないのである。

 さて、同決算説明資料ではWAU1,000万人到達がAbemaTVの投資回収タイミングと言及されている。現状、WAUは400万人台後半を記録しているが、順調に成長しており、2018年度には投資回収期に移ると推定できよう。変化の早いインターネット業界を考えるに、こうした300億円の投資回収まで10年以上かかるビジネスモデルは考えにくく、投資回収に必要な期間は長くても3年程度と想定していると考えられる。ここから逆算すると、2018年度は売上高300億円、支出200億円、営業利益率33%のビジネスモデルに成長させることを目標と置いていると推定できる。

AbemaTVの売上 

 さて、AbemaTVの売上 は大きく分けて「広告課金」「プレミアム会員(ユーザー課金)」に分けられる。f:id:tarisaa:20170503163800p:plain

 

 AbemaTVは「インターネット上のテレビ局」という立ち位置を模索していることからも明らかなように、「広告課金」が主軸となるビジネスモデルをである。まず、補助的なプレミアム会員(ユーザー課金)」の売上を推定する。プレミアム会員の目標数は100万ユーザーと置かれており、その時の売上は100万ユーザー×960円×12ヶ月×0.7(Apple/Googleの決済手数料30%を引いた額)=80.64億円となる。

  1,000万WAUに対して課金率10%は相当強気な数字と考えられるが、競合動画配信サービスの月額有料会員率は5-10%ほどだと推定されており*3、有料コンテンツを拡充すれば10%も無理のない目標だろう。

 さて、売上目標300億円からプレミアム会員による収益81億円を引いた残りの219億円が広告による売上目標となる。これを毎日の売上目標に割り戻すと、219億円/365日=6000万円/日の売上と計算できる。

 AbemaTVのDAUはWAUの半分弱と述べられており*4、ここでは40%と推定すると、400万ユーザーがDAUと仮定できる。

 ここで、日別の売上目標値をDAUで割ると、 6000万円 / 400万ユーザー = 15円/ユーザー・日 となり、ユーザー1人あたりの広告収益が15円であれば目標売上が達成できることになる。ここで、CMのインプレッション単価を、15秒=1円と仮定する。ユーザー1人あたりの広告収益が15円を達成するためには15秒CMを15回視聴させる必要があり、これはCM視聴時間3.75分程度に相当する。TVCMの場合、番組の長さにおけるCM比率は約15%*5とされており、体感になるがAbemaTVも同じくらいの比率でCMが差し込まれているだろう。そのため、AbemaTV全体の視聴時間としては、3.75分/15%/=25分の視聴が目標の目安となるだろう。

 この値は20代〜30代のテレビの平均視聴時間が2時間程度であり、*6 PokemonGoの平均プレイ時間が33分、Facebookが22分であることからも、*7 十分は達成しうる妥当なラインだと言えるだろう。

営業利益率33%は達成できるのだろうか?

 当記事では「投資回収まで3年」という推定から、営業利益率33%という仮定を置いた。ここで、日本のテレビ業界・Netflixの利益率を参照してみよう。

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 以上から分かる通り、Netflix・テレビ局は以上に示すように利益率が非常に低い業界なのである。ちなみに、この利益率の低さは、売上の60-70%をコンテンツ制作費に投資しており、原価率が非常に高いことによる。

 そのため、AbemaTVが営業利益率33%が達成できれば、実はAbemaは相当な金脈を見つけたということになる。しかし、WAU1,000万人、DAU400万人、平均視聴時間25分というKPIは競合他社としても十分達成できる水準だと言えるのではないだろうか。

 AbemaTVの見どころは、投資回収期である2017年下半期〜2018年。今後のサイバーエージェントの成長に期待したい。