SHIBUYAでIPOを目指すCEOのBLOG

上場企業の財務分析を行います。

「教育業界」内での企業時価総額第4位!?イトクロの利益率の高さを調査してみた。

教育業界の風雲児の「イトクロ」とは?

 イトクロは、2015年にマザーズ上場したベンチャー企業であり、塾・予備校に関する情報をインターネット上で提供するサービスを手がけている。2017年2月現在、上場してまだ2期ほどしか経っていないが、教育業界の中では超有名大企業と肩を並べていた。以下に教育業界の上場企業を時価総額順に並び替えた表を示す。

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 これらの企業の中で社歴も圧倒的に若く、なにより利益率がダントツである。東京個別指導学院はベネッセグループにも属しているので、実質的に時価総額上での教育業界トップ3は「ベネッセ」「ナガセ(東進)」「イトクロ」とも言えるだろう。

 さて、市場からこのような高い評価を得られている理由は、「高い利益率」であることが断言できよう。イトクロは何故教育業界でこのような高い利益率が実現できているのか調査する。

イトクロのビジネスモデル

 イトクロは「塾ナビ」という塾・予備校の検索メディアを主として運営している。イトクロ上で塾を検索し、近くの塾・予備校と比較したり、口コミ評価を見れたりするのである。

 そのため、運営とともにコンテンツがサイトに集積するストック型のビジネスモデルであり、売上高は順調な伸びを見せている。

 学習塾の市場規模は9,400億円前後程度で横ばいであり、伸びるポテンシャルは無さそうだが、教育業界の広告媒体は折込チラシに高く依存しており、そのリプレイスを図っていると言えよう。

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 最新期の売上の23.5%が電通経由、16.0%がトライグループ経由であった。

イトクロのポジショニングは「教育業界」!?

 こうしたビジネスモデルを概観すると、「教育業界」とセグメントを切るべきかどうかは疑問が残る。事実、イトクロは新規事業として「FXナビ」など金融業界の比較サービスも手がけているほか、代表取締役CEOの「山本 学」氏は株式会社リクルートにて営業に、株式会社カカクコムにて事業開発に携わった後、イトクロ社を創業しており、教育に関するバックグラウンドが豊富とは言えない。*2

 実際、教育業界同士で比較するより、以下のように比較系メディア企業同士で並べてみたほうが、収まりが良いように感じる。じげんや価格コムといった企業と比較すれば、利益率は特段高いとは言えないだろう。

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 勿論、ゴールドラッシュで大儲けしたのはシャベル・バケツ・ジーンズを売ったメーカーであることが知られているように、うまく教育周辺ビジネス(=折込広告のデジタルシフト市場)を狙ったという見方もできよう。

まとめ

 イトクロは「教育業界」というより「(教育分野に身を置く)比較型メディア業界」に位置しており、「教育業界」という括り方をすると利益率が高いような印象を覚えるが、メディア業界の中では一般的な水準である。しかし、「折込広告のデジタルシフト」という市場を的確に捉え、高い成長率を実現している。

*1:教育業界の上場企業、時価総額ランキング【2017年2月10日時点】 |EdTech Mediaを参考に筆者一部加筆。

*2:代表取締役COOの「領下 崇」氏は教育業界での経験が深い。