「学生起業家あるある」は全部俺がやった。3年間失敗し続けた秘訣を大公開。
こんにちは。10秒で始めるAIプログラミング学習サービスAidemyを提供しているアイデミー石川です。
このようなツイートしたら非常に反響が大きく、ブログにして意見をまとめようかと。
私、恥ずかしながら学生起業3大あるあるの「弁当のデリバリー」「ポイントカードアプリ」「キュレーションメディア」は全部立ち上げ、大失敗して3年間無駄にした。もしこの事業領域で勝負を検討してる学生がいたら全力でDM送ってほしい。失敗するポイントを的確にアドバイスできます。
— 石川 聡彦(Aidemy) (@akihiko_1022) 2018年3月29日
投稿から約6時間で20人以上の方からDM頂き、半日後には30名近くの方からお声掛け頂きました。著名な起業家の先輩やインフルエンサーの方にも共感頂きまして、少しでも多くの起業志望の学生の役に立てられればと思っております。
これは素晴らしいエントリー! https://t.co/HRqieXwipK
— shinsuke usami 宇佐美進典 (@usapon) 2018年3月29日
よく相談を受けますのでシェアさせていただきます https://t.co/ZNG6f6Fu3Q
— 高野秀敏 (@keyplayers) 2018年3月29日
かっこいいw https://t.co/N9myzs8aiI
— ikehaya | Blockchain (@IHayato) 2018年3月29日
ちなみにDM頂いた方の9割は「キュレーションメディアをやりたい」というお声掛けでして。新しい事業の立ち上げを考えていらっしゃる方が非常に多いことは素敵なことであると考えながら、いくつか落とし穴があるのでその内容を纏めておきたいと思います。
アジェンダは以下の通りです。
1. 僕が「弁当のデリバリー」を失敗した理由
2. 僕が「ポイントカードアプリ」を失敗した理由
3. 僕が「キュレーションメディア」を失敗した理由
4. 起業する前には必ず◯◯◯やれ
1. 僕が「弁当のデリバリー」を失敗した理由
弁当のデリバリーは、「海外で流行っているサービス、日本に輸入したらタイムマシン経営できるんじゃね?」パターンでした。
当時、Uber Eatsが無い時代でしたが、海外ではフードデリバリー(FoodRocket/Postmate...etc)が盛り上がっていました。一方、日本は同様のサービスが殆どなく、参入する余地が大きいように思えます。
しかし、日本は以下の理由で特殊な市場であるように思え、成功するのは難しいと結論付けました。
1. 世界でも稀な「弁当文化」がある。日本人は冷めた弁当を食べるのに抵抗感がなく、ランチの買い置きが一般的である。
2. 日本の冷凍食品やコンビニ飯は美味しい。出来たてのご飯を宅配してくれることに付加価値を感じにくい。
3. 都市が密集しておりコンビニも非常に多い。数分歩けば美味しいご飯が手に入るため、フードデリバリーのほうが時間がかかる。
勿論、最近はUber Eatsの良い評判を聞くことも多くなりまして、一概に「フードデリバリー=失敗」と結論付けるのは早急だと反省しています。しかし、プロモーションのために相当の資本を投下する必要もあり、学生起業家にとって良い領域だとは言えないでしょう。(店舗に対する営業も必要で、それだけで気付いたら数年経ってしまいますw そのため、スピード感もってスケールするのが難しいテーマなのです。)
当時の僕には、「海外で流行っているからって安易に成功するわけないだろ。」と突っ込んでやりたいです。
ちなみに、弁当のデリバリー出身の学生起業家は今を時めくdelyの堀江さんなどがいます。
2. 僕が「ポイントカードアプリ」を失敗した理由
ポイントカードアプリは、「身の回りの課題、解決したらもっと世界が良くなるんじゃね?」パターンでした。
確かに、「財布の中のポイントカードがパンパンでうざい」という課題は、皆さん共感してくれるテーマだと思いますし、なんとなく解決策も思い浮かびやすいテーマです。
しかし、先日のブログで紹介したとおり、「市場の伸び」が押えられていない手厳しいビジネスアイディアになります。
さらに、確かにユーザーニーズはあるものの、ポイント発行元の店舗のニーズが非常に薄いのが問題です。
そのため、かなり頑張って営業しても導入店舗を増やすことが難しく、ひたすら厳しい営業を繰り返す超ハードモードビジネスに突入するのは間違いないでしょう。1.2.にも共通しますが、学生起業家は営業などが必要なプロダクトではなく、「インターネット完結」のテーマを選択するのがオススメです。スピード感が出やすいので。
当時の僕には、「ポイントカードの課題を解決して世界変わらんやろ。」と突っ込んでやりたいです。
ちなみに、ポイントカードアプリ出身の学生起業家はピンテックの風雲児LIONの五十君さんなどがいます。
3. 僕が「キュレーションメディア」を失敗した理由
キュレーションメディアは、「よく分からないけど、メディアって楽に稼げそうだからうまくいくんじゃね?」パターンでした。
実は、WEBメディアはスタートアップのテーマでは類を見ないほど「ビジネス成功のための方程式」が科学されてる分野なんですよね。
SEOは勿論、テーマ選定、組織づくり、運営ノウハウまで、正攻法が確立されている稀有なビジネス領域だと思っています。こうしたノウハウは、伸びているメディアを運営することで体得できる暗黙知なんです。
そのため、キュレーションメディアで起業したいのであれば、間違いなくキュレーションメディアを運営している会社にインターンして、上記の正攻法を体得するのがオススメです。(逆に言えば、上記のような正攻法を学ばずにキュレーションメディアで拡大するのは、他ビジネスと比較しても絶望的なほど見込が無いと言えます。)
当時の僕には、「メディアに対してそんなに詳しくないのに、楽に成功する訳ないだろ!」と突っ込んでやりたいです。
キュレーションメディアに関しては、若くして成功した学生起業家が多い領域です。私の同世代くらいのだと、アラン・プロダクツの花房さん、Candleの金さんなどが該当します。
4. 起業する前には必ず◯◯◯やれ
僕が最もお勧めしているのは、起業する前にインターンすることです。しかも、休学して、留学するように、少なくとも1年間長期インターンすること。
正直、僕は3年間上記のサービスでシクってたんですが、すごく時間勿体なかったんですよねw 休学してインターンすればノウハウをラーニングする期間を1年間に縮められたな、と。
ちなみに、会社は「テーマに関心がありビジョンに共感し」「サービスが伸びていて」「VCから出資を受けている未上場企業」が良いでしょう。
「テーマに関心がありビジョンに共感し」の部分は、当然ですね。まず自分が面白そうだと思ったテーマ/ビジョンの会社で働くべきです。
「サービスが伸びていて」の部分は、サービスが伸びていないスタートアップは学べる内容がかなり限定されているからです。一緒にサービスを伸ばしたほうが、働いてても面白いですよね。
「VCから出資を受けている未上場企業」の部分は、まず皆さんがスタートアップしたいのであれば、必ず未上場企業からスタートになるため、上場企業でインターンしても学びが活かされにくいためです。しかし、未上場企業は星の数ほどあり、良い企業かどうか見分けるのが難しいです。「VCから出資を受けている」という企業を選べば、少なくともVCから「上場する可能性がある」と見込まれた会社に飛び込める訳なので、一つの判断指標として良いでしょう。
Aidemyは人材を募集しています!
AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術に興味がある人材のハブになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は、木曜日朝20分のスピードMTG、「アイデミーCEO 石川 聡彦のオフィスアワー」にご参加ください!↓予約はこちらから↓
アイデミーCEO 石川 聡彦のオフィスアワー | 調整さんカレンダー
◯◯◯が抜けると超ハード。なぜスタートアップは身の回りの課題を解決すると危険なのか。
こんにちは。10秒で始めるAIプログラミング学習サービスAidemyを提供しているアイデミー石川です。
このようなツイートしたら非常に反響が大きく、ブログにして意見をまとめようかと。
いま起業するなら、身の回りの課題をテーマにせず、AIやブロックチェーンが絡むテーマを選定すべき。スピード感/難易度/注目度も全てが段違い。非エンジニアも、Progateで基礎を学び、AidemyでAIやブロックチェーンを押え、AWSでデプロイできる。ここまで約1ヶ月、費用は数万円。やらなきゃ勿体ない。
— 石川 聡彦(Aidemy) (@akihiko_1022) 2018年3月14日
このツイートに関して、「技術基点ではビジネスはうまくいかない」「熱意を持った事業を選択すべき」「ただブームに取っているだけでは、長期的に見て成功できない」などなど、賛否両論頂きました。
勿論、起業には様々な考え方があり、他のテーマの選び方に関する考え方を否定するものではありません。(ご指摘頂いた事項も勿論真実です。)しかし、今からスタートアップするのであれば押えておくべき重要なポイントがいくつもあるので、私の考え方をまとめます。アジェンダは以下の通りです。
1. スタートアップの前提は短期間での会社価値の増大
2. 学生起業家は◯◯◯が抜け落ちているので特に危険
3. スピード感/難易度/注目度とは?
4. ではどんな領域を選択すべきなのか?
よければ、読了後にTwitterでこの考え方に関する感想を教えてください。
1. スタートアップの前提は短期間での会社価値の増大
スタートアップは様々な定義がありますが、ここでは「VCから出資を受けて(もしくは受けるつもりで)短期間でエグジットを目指す未上場起業」と定義しましょう。
スタートアップに出資するVCも機関投資家(銀行/証券会社)や会社などから出資してもらい、ファンドを組成しています。VCも、出資元に出資額以上のリターンを返すために、色々な会社を常にソーシングしています。
その中で、投資に値する会社とは「伸びる会社」となります。VC視点で見ると、「伸びる会社」を見つけるのが重要です。「伸びる会社」とは、「伸びる事業」を持っている会社のこと。そのため、スタートアップは、「伸びる事業」を作り、事業を伸ばし続けなくては行けません。これを大前提にして議論を進めます。
2. 学生起業家は◯◯◯が抜け落ちているので特に危険
では、どのように「伸びる事業」を見つけるべきでしょうか?タイトルにはあえて◯◯◯と記載しましたが、この空欄に入る言葉は「市場感」です。
大変お恥ずかしい話しなのですが、僕は現在25歳が、既に起業4年目です。最初の2年間は(たいして当たらない)プロダクト開発、次の1年はプロダクトの受託開発にのめり込んでいました。僕の(苦労の)3年間で体得できていなかったのが「市場感」なのです。
東大の3年生に起業した僕は、自分の身の回りの課題を解決するためのプロダクトを作っていました。例えば、「ポイントカードが邪魔だからスマホにまとめよう!」とか「コンビニが遠いから配達してもらおう!」といった課題とアイディアです。一見、面白そうなアイディアですが、VCからの評判も微妙で、サービスも急激に伸ばすことはできませんでした。つまり、このアイディアは「市場感」掴めていない「超ハード」モードだったのです。
私もいま福岡でB Dash Campというのに参加しているのですが、セッションのなかでgumiの国光さんから以下のような取りまとめもありました。
国光さん
— ひろざわだいき (@HirozawaDaiki) 2018年3月14日
「起業が成功するかどうかは創業者や起業家でもなく、結局のところは市場による。デカいマーケットで挑戦した方がよい。
このビジネスが伸びるのか、自分がこれをやるべきなのか、を最初に少し立ち止まって考えまくって始めるのが良いのかな、と思いました。」#bdashcamp #U25サミット
この「市場感」が、スタートアップで一番大事です。ヒトコトで言うとブームかどうか。「市場感」はVCから投資を受けると繰り返し強調されるので意味がピンと来るのですが、出資を受けない時期は気づくことは稀であり。ここにいち早く気づくかどうかは、早く成功するかどうか決める大きな分水嶺となります。
3. スピード感/難易度/注目度とは?
さて、以上のような市場感の掴めた領域、つまりブームな領域を選ぶと会社にとってはどんな利点があるのでしょうか?個人的には以下の3ポイントが大きいと思っています。
スピード感 ... VCからの出資を受けやすく、その結果人的リソースや金銭的リソースを集中投下できるため、スピード感が早い。
難易度 ... 市場急拡大しているが先行プレイヤーが少なく、過去の実績が無くても有利な契約が取れやすいため、難易度が低い。
注目度 ... ブームな領域はビジネスマンが大きく注目しているので、メディアに取り上げられやすく注目されやすい。
以上3点は勿論独立なものではありません。しかし、この3点がイージーモードだと、ぐるぐると相互にプラスに影響しあって、大きなアドバンテージとなります。ブームでない領域を選ぶと、「スピード感」「難易度」「注目度」共に「超ハード」モードでゲームが開始されてしまう訳です。
学生起業家の場合、社会経験など無くビジネスマンとしてのレベルはせいぜいLv.1〜5くらいのはず。全てイージーモードでもエグジットできるかどうか分からないのに、「超ハード」モードで成功するのは非常に稀と言えます。
4. ではどんな領域を選択すべきなのか?
最後に、ブームとなる領域はどのように選ぶかどうか纏めます。
まず必読すべきは、「XXXX年のスタートアップ・トレンド」が纏められた記事です。スタートアップを考えている若者は、まずは教養として、この記事を暗記するまで読むべきでしょう。ここまで読んでいただければと、ブロックチェーンやAIというテーマで起業すべき、という真意が少しずつご理解いただけるはずです。
次に、U25世代はアイディアをVCやエンジェルに聞くことも良いでしょう。具体的に相談する相手がいなければ、まずはけんすうさんの質問箱に投下しましょう。
お腹痛くて悶えてる🤢
— けんすう (@kensuu) 2018年3月13日
もっとも効果的な方法は、伸びているスタートアップで働くことです。社会人であれば、明日にでも辞表を書いて会社を辞めましょう。学生であれば、留学するように1年間休学し、フルタイムでインターンしましょう。こうすることで、(僕は気づくのに3年もかかってしまった)スタートアップノウハウが1年で学べます。
会社を選ぶ際は、「プロダクトが好きか(ビジョンに共感できるか)」を中心に、VCから出資を受けているところを見るのがオススメです。
もし僕に相談に来てくれれば、弊社だけでなく色々なスタートアップも紹介できます。なお、弊社でインターンすると、
Aidemy卒業者に投資します! https://t.co/QbdlPdKfAe
— 木下 慶彦 / Skyland Ventures (@kinoshitay) 2018年3月14日
という特典(!?)があるようですw
Aidemyは人材を募集しています!
AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術に興味がある人材のハブになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!
[CEOの石川直通][返信率99%]Messengerアドレスはこちら!
https://www.messenger.com/t/aki1275
PMFを達成した後は、事業よりチームが成功確度を決める。
アイデミー石川です。友人と話していて、一つハッと気付かされた出来事があったので、備忘録も含めてブログにしようかと。きっかけは、僕の友人の起業家であるJapanWork鈴木くんからのこんな一言でした。
PMFとはProduct Market Fitの略で、「新しいサービスのニーズが確認された状態」ということです。ここまで来たら、CEOなど一人の手腕でなんとかなるのは限界があり、それをグロースさせる協力な仲間が必須だと感じています。
実際、Aidemyに投資頂いているUTECの投資ポリシーの一つが「強力なチーム」となっていて。
02 PHILOSOPHY 強力なチーム
・テクノロジーを活かした事業を強力に推進できるプロフェッショナルマネジメントを重視・製品開発・オペレーション・管理面においても強力なチームを構築
UTECさんは主に数億円台の投資を手がけることが多いファンドと知られております。PMF検証後からグロースさせる勘所をとして、「チーム」を挙げられているのかもしれません。(ちなみに、弊社はUTEC史上、最小額投資を頂いておりますw)
しかし、ベンチャーに就職を考えている人は「なんとなくベンチャーが良いんですよね」とか「自分を変えるきっかけが欲しいんです」という人が多いのも事実。勿論、ベンチャーに興味を持ってくれるのは有り難いのですが、いまのAidemyのフェーズ感(少数精鋭組織で、正社員数名規模です)には合わない気がしています。
Aidemyのビジョン、そしてプロダクトに深く共感してくれて、「Aidemyって〜〜というところが良いサービスですよね」「〜〜して、もっと〜〜としたら、良くなるんじゃないですか?」「〜〜という観点から見ると、〜〜した方がいいですよね」とか積極的に意見を出してくれる人を採用したいと思っています。
Aidemyでは、高い志を持った人なら、高い給料を出すし、SOも渡す。その代わり、中途半端な人間は採用しない。このポリシーを守っていきたいと、改めて思った今日この頃でした。
Aidemyは人材を募集しています!
AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術に興味がある人材のハブになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!
[CEOの石川直通][返信率99%]Messengerアドレスはこちら!
https://www.messenger.com/t/aki1275
【Aidemyの強さを公開】口コミ定量化指標のNPS(ネットプロモータースコア)で競い合いませんか。
Aidemy CEOの石川です。先日、Aidemyのユーザーインタビューを行いました。そのなかで、「Aidemyをどのように知りましたか?」という設問がありましいて。その結果の抜粋をシェアします。
流入チャネルの約1/3を占める「ニュースメディア」は、プレスリリースの効果が大きいでしょう。この効果に関しては以下のブログ記事で触れました。
しかし、最も注目すべきは「SNSからの紹介」「社会の情報共有」「友人からの紹介」であり、これらで全体の60%ほどの割合が占められています。これらは口コミによるものと言えるでしょうし、Aidemyの強さの秘訣は口コミとも言えます。
実際、伸びているサービスの流入のほとんどは口コミだと思っていて。スタートアップのプロジェクトで最もフォーカスすべきポイントはプロダクトの質です。それはプロダクトの質が良ければ、口コミでユーザーが流入して、意図せずとも自然とサービスが伸びると考えられるためです。
さて、こうした口コミの度合いをKPIとして管理するために、定量化して表す手法があります。それは、NPSです。今回は、口コミ定量化指標のNPS(ネットプロモータースコア)を紹介します。アジェンダは以下の通りです。
1. NPSの概要と計算方法
2. AidemyのNPSを公開!
3. 他サービスのNPSと比較してみよう
4. NPSで競い合いませんか。
1. NPSの概要と計算方法
NPSとは、上述の通り口コミの強さを定量化して表す手法です。欧米ではスタンダードな評価指標と言われています。
NPSは欧米の売上上位企業(フォーチュン500)のうち3分の1以上が活用していると言われており、例えばアメリカンエクスプレスやP&G、グーグルもこの指標を活用してサービスに対するロイヤルティを計測し、日々サービスの改善に務めています。
NPS(ネットプロモータースコア)とは?顧客満足度との違いを解説 | 株式会社Emotion Tech(エモーションテック)
よく使われる「顧客満足度」と比較して、NPSは成長率/利益率と大きな相関があると言われています。さらに推奨者は頻繁に口コミを行うという統計データもあり、一定の信頼が置ける指標です。
さて、このNPSの計り方は非常にシンプルです。「あなたはこの商品を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」 という質問をユーザーに対して聞くだけです。*2
この回答結果をもとに、顧客は「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのタイプに分類されます。
そして、以下のような計算式でNPSを計算できます。
当然、推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアは上がります。その値は-100から、+100までの範囲を取り、値が大きければ大きいほど、サービスの口コミ拡散力が大きい言えるのです。
2. AidemyのNPSを公開!
さて、AidemyのNPSを公開します。Aidemyのユーザーに対するアンケートを実施したところ、以下のような回答が得られました。
上記グラフを参照する限り、なんとなく良い結果が得られている感じがします。ざっくり「推薦者が4割」「中立者が5割」「批判者が1割」といった構成でしょうか。このアンケート結果をベースにAidemyのNPSを計算しましょう。
以上のように、「28.5」になりました。推薦者が多く、口コミによる効果を管理するKPIとして、NPSは有用な指標ではないでしょうか。
3. 他サービスのNPSと比較してみよう
NPSの面白いところの一つとして、他サービスと横断的にその値を比較できることです。 NPSが公開されているサイトは少ないのですが、NPSとは(ネットプロモータースコア/Net Promoter Score)顧客満足度に変わる新指標 - NPSソリューション | NTTコム オンラインより値を抜粋しました。
上記を見るに、全てのサービスで負の値が取られています。そもそも正の値のNPSを取るのが難しいのです。そう考えると、AidemyのNPSは十分高く、競合と比較しても口コミによってサービスが広がっていると定量的にも判断できるでしょう。
4. NPSで競い合いませんか。
とはいっても、3.で紹介したサービスはどれも大企業によるサービスが多く、インターネット系でない業界も多く含まれています。
インターネット系のサービスであれば、改善スピードも速く、NPSも比較的高い値が見込めます。その中でもベンチャーのサービスであれば、ターゲットが絞られているサービスも多いため、高いNPSが見込まれるでしょう。したがって、AidemyのNPSが高い値であると盲信することは避けるべきだと感じています。
とはいっても、私はAidemyにかなりの手応えを感じていますし、決して低くない値だと思っていて。是非ともいろんなサービスとNPSを競い合いたいです。是非いろいろなサービスでNPSを取って頂き、NPSをシェアし合い、互いにサービスをブラッシュアップしていきませんか?もし良ければ、Twitterやコメント欄で、皆さんのサービスのNPSを教えてください。
Aidemyは人材を募集しています!
AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術を発信するコンテンツメイカーになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!
[CEOの石川直通][返信率99%]Messengerアドレスはこちら!
スタートアップは「月に4本」プレスリリースを打つべき3つの理由
Aidemy CEOの石川です。本日以下のようなプレスリリースを打ちました。
ビッグクライアントとのコラボで反応も良く、確かな手応えを感じています。さらに、最近まわりの友人から「Aidemyの調子いいね」「名前よく聞くよ」と言われることも多いのですが、その要因の一つはプレスリリースをうまく活用できていることだと思い、今回ブログにしてみました。
Aidemyは、一部のプランを除いてFacebookやGoogleリスティング等の広告費は一切使わず、広報活動としてはPR Timesにプレスリリースだけ打っています。2017年から使い始めているのですが、このPR Timesの投資対効果が非常に高く。2018年はさらに戦略的に、どのタイミングで、どんな内容でプレスリリースを打つべきか、この先数ヶ月に渡って設計しています。今後は月に4本、年間48本のペースでリリースを出します。
さて、僕が考えるプレスリリースのメリットは以下の通りです。
- プレスリリースを打つことで、社内でサービスのイメージが湧く。
-
プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができる。
- プレスリリースをベースに、サービスの開発スケジュールがたてられる。
今回は、以上3点のメリットに関してまとめます。
1. プレスリリースを打つことで、社内でサービスのイメージが湧く。
プレスリリースの文面は、分かりやすく端的にサービスの特徴をまとめる必要があります。エンドユーザーにとってどのような言葉で魅力を伝えるべきか推敲することで、アイディアが自然とブラッシュアップされて、注力すべき訴求ポイントが明確になっていくのです。
実際、Amazon流の開発術では、まずプレスリリースを作るらしく。
プレスがユーザーに響かなかった時点でプロジェクトはボツ。そもそもその商品は作らない。これにより見当違いな商品を作るリスクを、一番最初の段階で低コストに回避できる。
スタートアップは限られたリソースを、限られた領域に集中投下しないと、大企業や競合に負けます。スタートアップで危険な失敗の一つは、リソースの集中投下先を間違えることです。そのリスクを最大限ヘッジできるのがプレスリリースなのです。
2. プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができる。
プレスリリースの反応を見て、ニーズの検証ができます。下図は、PR TimesのプレスリリースのPV数のキャプチャ画像です。
PV数の山ができている点が、プレスリリースを打った日です。グラフを見れば一目瞭然、どの山が大きいのかすぐにわかります。弊社では、PVが集まったリリースのプライオリティを上げています。結果、ユーザーの反応がある内容を優先してリソースを投下できるので、失敗しにくい戦術となります。
3. プレスリリースをベースに、サービスの開発スケジュールが立てられる。
Aidemyの認知は、エンジニア・理系層を中心に少しずつ高まっていますが、それでもGithubやKaggleと比較すれば当然知名度は低いです。これらのサービスの認知度が高いのは、サービス名を耳にする頻度が高いからだと思います。
では、これらのサービスと並ぶような知名度にしたければ、毎週定期的に情報を発信してサービス名を耳にする頻度を高めることが重要です。そのため、毎週定期的に情報を発信できるように、サービス開発のプライオリティを少し調整し、開発スケジュールを作るようにしています。こうすることで、社内で波を作ることができるのです。
スタートアップは、一つのプレスリリースを練りに練って、たまにリリースを出すことが多いですが、大抵の場合その間にサービスが忘れ去られています。プレスを出しすぎてウザがられるくらいが、丁度良いのです。
以上が、Aidemyがプレスリリースにこだわる理由です。プレスリリースは打つだけほぼ無料です。実際、DMMは「シェアリングバイク領域に参入します!」というプレスリリースを打ち、その後参入をやめました。
プレスリリースは月に4本ガンガン打って、ダメそうなら謝る。これがスタートアップのリスクを最大限ヘッジできる戦い方ではないでしょうか。
Aidemyは人材を採用しています!
AidemyはCOO候補のビジネスマネージャー、CTO候補のエンジニア、CDO候補のデザイナーを募集しています。今後、マネタイズ・英語化を行い、世界に対して先端技術を発信するコンテンツメイカーになるようなユニコーンを作ります。興味がある方は僕宛にメッセージください!
[CEOの石川直通][返信率99%]Messengerアドレスはこちら!
【2018年度版】初心者にオススメのプログラミング言語は◯◯◯だ。
10秒で始めるAIプログラミング学習サービス Aidemyの石川です。最近、質問箱 - Peing- で、「プログラミング始めたいのですが、どんなプログラミング言語から学ぶべきですか?」と聞かれることが多く。
おそらく質問主は「起業したい」「自分のアプリを作りたい」「プログラミングスキルを教養としてつけたい」というニーズからプログラミングを学びたいと思っている方々と思うので、僕の意見をまとめてみました。
1. とりあえずプログラミングやってみたい勢にはJavaScript
「教養としてとりあえずプログラミングやってみたい」という人にオススメなのは、JavaScriptです。JavaScriptはワインで言うところのカベルネ・ソーヴィニヨン、ディズニーで言うところのビッグサンダー・マウンテンでしょうか。クセもなく人気で、さらに応用範囲も広い、非常にオーソドックスな言語です。
JavaScriptに慣れてくれば、拡張ライブラリのjQueryでWEBサイトを容易に動的に変えられますし、React.js/Node.jsで本格的WEBアプリも作れます。さらに最近だとReact Nativeでスマホアプリまで作れるようになります。さらに、jsを書き始めるのに環境構築は不要です。インターネットブラウザさえあれば、手軽にプログラミングを始めることができるのも魅力でしょう。
jsを学ぶのにオススメはドットインストールです。まずは「占いアプリ」、「クイズアプリ」などのアプリケーションを作れるようになることが、プログラミングの第一歩としてはオススメです。
2. データ解析や人工知能に興味があるならPython
「データ解析」「人工知能」といったテーマにピンときた方にオススメの言語はPythonです。Pythonはそもそもアカデミックで人気の高い言語でしたが、最近の人工知能人気でIT界隈でも注目されています。
Pythonはデータ解析や人工知能実装で最もオーソドックスな言語です。さらに、「プログラミング言語別年収ランキング(2016年度)」では堂々の1位(651万円)を獲得しており、いま人気急上昇中の言語です。
一方、Pythonの弱みとしてはWEBアプリ制作には弱いことが挙げられます。Pythonを使ってWEBアプリを作ることもできますが、実装例としては非常に少なく、後述するRubyを使うことが多いでしょう。
Pythonの学び方としては、手前味噌ですがAidemyがオススメです。他にも有料版のみになりますがPyQなども人気なようです。
3. WEBアプリを作りたい勢はRuby
〜〜なアプリを作りたい、など明確に目標がある人にはRubyを勧めます。フレームワークRailsと組み合わせたRuby on Railsは、いま日本のWEBアプリ制作で最も人気の高い言語とフレームワークワークです。
Rubyの開発者は日本人(まつもと ゆきひろ氏)なのも嬉しいですね。最も人気の高い言語なので、日本語ドキュメントも充実してあります。
学び方としては、やはりProgateがオススメです。ProgateのラインナップにRuby on Rails系の講座は充実しています。Rubyの環境構築は非常に骨が折れ、挫折する可能性が非常に高いので、Rubyの学び始めには環境環境不要のProgateが便利でしょう。
4. 最後に
そもそも、どのプログラミング言語を選ぶべきか迷うことに時間を割くのは非常にもったいないと感じています。プログラミング言語の差って、「中国語」と「英語」という「ことば」の差ほど離れているものではなく、「関西弁」と「秋田弁」くらいの差だと思うんですよね。つまり、一つの言語を習得しちゃえば、他の言語のソースコードもなんとな分かってくるし、仮にまた新しくプログラミング言語を学ぶ時も学習コストは非常に低くなるわけです。
実際、僕が初めて触ったプログラミング言語はPHPなんですが、PHPの知識は他の言語の理解に非常に役に立ちます。さらに、僕の場合はPythonより先にRを学び始めたんですよねw 最近はRを書くことは滅多に無いのですが、Pythonを学ぶ時もすんなり吸収できました。
どんなプログラミング言語をはじめに選択しようか迷っている初心者は、「まずは黙ってJavaScript/Python/Ruby」を選ぶこと。(「弘法筆を選ばず」という言葉があるように、ここで悩むことは本質ではありません。)その上で、ドットインストール、Aidemy、Progateなどをうまく使いながら、まずはコードを書いて実践し始めるのが大切だと思います。
SaaSの米国展開の秘訣は◯◯◯◯◯性?サイボウズ社kintoneの海外展開戦略を考察!
▲2017年度から展開されたkintoneのクリエイティブ。オフィス街を中心に見かけた方も多いだろう。
日本発のグループウェアSaaS企業の「サイボウズ」。サイボウズの展開サービスは?
「結果出せおじさん」と「早く帰れおじさん」との板挟みを痛切に表現した広告が話題になったサイボウズ社のkintone。サイボウズ社は現在、kintoneを始めとする業務支援ツールやグループウェアを提供している。今回は、サイボウズ社の主力サービスを整理し、海外展開戦略のために同社が行っている取り組みを概観する。
まずは、サイボウズ社の展開サービスを同社IR資料から整理する。サイボウズ社では、以下の5サービズを展開している。
それぞれのサービスの概略を簡単に紹介すると、以下の通りになる。
Kintone:コードを書かずに自社内で業務アプリ(交通費申請システム、契約書管理システムなど)を開発できるツール
サイボウズOffice&Garoon:掲示板・会議室管理・スケジュール管理などを可能にする社内グループウェア(kintoneと連携可)
メールワイズ:メール共有ツール・顧客管理ツール(kintoneと連携可)
Cybouzu Live ... 完全無料のグループウェア。
この中で、異色なのは「kintone」と「Cybouzu Live」であろうか。前者は、ノンプログラミングでアプリを簡単に作れるサービスであり、「スクラッチ開発するほど予算はないが、決まった範囲内で自社独自のサービスが欲しい」というニーズを捉えているものだと思われる。(WordPressのような感覚に近いだろうか。)
後者の「Cybouzu Live」は、簡易的なグループウェアであり、同サービスにはマネタイズポイントがない。あくまで、「Garoon」または「サイボウズOffice」導入へハードルを下げるための、フリーミアム戦略と捉えるべきであろう。
IR資料では、以上の製品別売上が開示されていないが、製品別の売上を推定することはできる。同社ホームページからシステム利用料を参照すると、サイボウズOfficeのクラウド版利用料金は月額500円・5ユーザー〜と記載されていたのに対し、Garoonのクラウド版利用料金は月額800円・300ユーザー〜とあった。
実際GaroonはサイボウズOfficeの1/10程度の導入社数しかないが、利用最低人数が100倍近く違うので、同社の売上の大半はGaroonによって占められていると推定できる。
また、サイボウズのトップページにはkintoneが大きく広告されており、GaroonやサイボウズOfficeには、kintoneとの連携機能が大きく打ち出されていた。既存のGaroon / サイボウズOfficeユーザーにとっては、ARPU向上のために毛並みが違うサービスのkintoneの利用を促しているのだと推測できよう。
サイボウズ社の売上推移
サイボウズ社のビジネスモデルは2012年から「パッケージ販売」から「クラウド利用料の販売」と大きく変化した。同社のビジネスモデルがサブスクリプションと変化し、順調に売上が増加している。
なお、Adobe社のCreative Cloudが販売開始したのも2012年であり、2012年はパッケージ販売型企業にとってビジネスモデル変革の年だったのかもしれない。
さて、同社が展開する5サービスの中のポジショニングを整理しよう。今回は、「ターゲットユーザー」と「カスタマイズ性」という軸で、以下のように整理した。
「カスタマイズ性」とは、各ソフトウェアのカスタマイズやAPI連携機能の利便性を示している。kintoneはプロダクト自体がカスタマイズを前提としているだけでなく、API連携やJavaScript/プラグインをサポートしている。Garoonは2017年5月からJavaScriptカスタマイズ・REST API・Webhookを機能のアップグレードを予定している。IR資料を参照すると、 同社では「kintone」「Garoon」を海外展開プロダクトとして位置づけており、ここからGaroonの2017年5月の機能アップデートは、海外展開を推し進めていくためのアップデートと思われる。
米国展開には「カスタマイズ性」が秘訣なのか?
同社では、米国展開に中力するにあたり、何故カスタマイズ性にこだわっているのか?以下のITサービス企業技術者数のデータを参照すると、米国と日本の技術者のあり方の違いが浮き彫りになってくる。
以上のように、アメリカは、ITサービス企業技術者(≒SIer)数の2倍以上のエンジニアがユーザー企業に在籍しているのである。日本は逆に、 ユーザー企業の技術者数の約3倍のエンジニアがITサービス企業(≒SI)に在籍している。ここから、アメリカは、様々な企業がサービスを内製化して開発する土壌にあると推測できる。実際、Slackというプログラマブル性の高いチャットツールがアメリカから急激に拡大したのも、以上のような背景があると言えよう。
以上のような背景から、kintoneやGaroonの米国展開を考えた時に、機能としてプログラマブルであること(=API開放...etc)が求められると考えられる。SaaSを海外展開、特に米国展開する際には「プログラマブルな形でカスタマイズ性を持つ」ことは必須要件ではないだろうか?